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執筆者の写真大久保 享

インターネット事案について

更新日:2021年5月8日

最近、インターネット関係のご相談やご依頼が増えています。

あくまで個人的印象ですので、総体的に件数が増えているのかは分かりません。

ただ、平成30年版の総務省発表の統計によると、インターネットの利用率は、13歳~59歳までは各階層で9割を超えており、いわゆる現役世代や13歳以上の未成年にもインターネットが当たり前のように浸透していることが分かります。


最近読んで面白かった「テクノロジー思考」(蛯原健/ダイヤモンド社)という本によると、もはやインターネット産業はGAFA等の一部企業以外にとっては成長産業ではなく、他の多くの産業と同じように成熟したレガシー産業であり、最近はUberやAirbnbのように、広告・コンテンツ産業以外の場所で、既に「インターネットの外」のレースが始まっているとのことです。


今後、更にインターネットというツールを利用して、人と人、人とサービスがつながる場は増えていくと思います。

利便性が向上する反面、新たな問題も生じてくるでしょうし、弁護士の仕事の多くは人と人との接点に生まれるものですので、今後、弁護士にとっても、インターネットの知識は更に重要になるかもしれません。


ちなみに、私がインターネットと「出会った」のは、福岡地検で捜査検事をしていたときでした。

そのころ、「Share」などのファイル共有ソフトによる著作権法違反事件等が続々と立件されており、私も、たまたまその種事案の配点を受けました。

警察からの送致記録を見ると、IPアドレスから犯人を特定する捜査手法が取られており、今では当たり前となりましたが、当時は「こんなやり方があるのか!」と衝撃を受けたのを今でも覚えています(その後、例のパソコン遠隔操作事件等で限界も明らかとなりましたが。)。

そのとき私が学んだことは、我々の周囲には、証拠としては残っていても、基本的なベースとなる知識がなければ、そこから意味を読み取り理解することができない(場合によっては証拠の存在にすら気付けない)ものが意外と多くあるかもしれないということです。


それから、私は、今後増えるであろうインターネットを利用した犯罪に対応するには、インターネットの基本的な仕組みから理解する必要があると考え、勉強を始めました。将来的にはサイバー犯罪に強い検事になることが目標でしたが、まもなく検事を辞めたため目標未達に終わりました。

ただ、私は、弁護士になってからも、インターネット関係の事案を積極的に取り扱っておりますし、ご依頼頂いた案件を通じて様々な経験を積ませて頂いており、新しい問題にも積極的に取り組んで行きたいと考えております。

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